細野祐二公式ホームページの御挨拶

昼夜の区別なく、ほぼ毎日上場会社の財務諸表分析をやっています。上場会社の財務諸表危険度分析の結果を毎月100社ずつ配信しているからです。日本の上場会社は新興市場を含めて3600社ありますので、このままのペースで進みますと、全上場会社の分析を終えるのに3年の年月がかかることになります。全てを終えるのは2021年3月の予定で、財務諸表危険度分析の長い道のりは始まったばかりです。

このような試みが可能になったのは近年のIT技術の飛躍的向上のおかげで、毎月100社の財務諸表危険度分析といっても、財務諸表数値の読み込みと評価指数の算出だけであれば20秒ほどで終えることができます。ところが問題は、現在の日本の上場会社に対して財務諸表危険度分析を行うと、おおむね5%から10%の割合で危険度の高い財務諸表が出てきてしまうことにあります。これらの高リスク財務諸表については、高リスク評価となった理由とその経済的背景を解析して評価報告書に記載するとともに、必要に応じプログラムを修正しています。

危険度の高い財務諸表は粉飾決算の可能性が高く、粉飾決算は犯罪なので、そこに到る理由と経済的背景には経営者の止むに已まれぬ切迫した人間ドラマが展開されています。この人間ドラマは良質の推理小説を読み進める以上に刺激的で面白くもあるのですが、その解析にはとてつもなく時間がかかってしまいます。私は、この人間ドラマの解析もまた人工知能に置き換えることができるのではないかと考えています。

財務諸表危険度分析には、不適正な財務諸表に対して危険度が低いと判定してしまうリスク(αリスクといいます)と適正な財務諸表に対して危険度が高いと判定してしまうリスク(βリスクといいます)があります。αリスクが顕現してしまうとこの財務諸表危険度分析はその信用性を一気に失うことになり、βリスクが顕現すれば、評価対象会社からの訴訟リスクにさらされることになります。かといって、それに見合う収入は財務諸表危険度分析報告書の販売収入以外にはありえず、日本では財務諸表危険度の分析情報を金を払って買うという文化が成熟していませんので、財務諸表危険度分析はこれを業とするにはまことに割に合いません。欧米とは異なり、だから、今まで日本では誰もやらなかったのでしょう。私がやるしかありません。

オリンパスや東芝の粉飾決算事件を見て分かるように、企業から莫大な監査報酬をもらって行う日本の公認会計士監査は機能しません。これらの粉飾決算事件が発覚する度に、その粉飾財務諸表に適正意見を出し続けてきた監査法人は強い社会的批判を浴びるのですが、ここで少し冷静になって考えてみれば、上場会社の財務諸表適正性の監視機能をその上場会社からの報酬で生計を立てている監査法人だけに負わせるのは、人の情として、あまりにも酷ではありませんか?

欧米では、だから、財務諸表危険度分析を多くの民間団体が行っていて、監査法人を含む多元的な上場会社の財務諸表適正性監視体制が機能しているのです。この財務諸表危険度分析が、歴史の批判に耐えて、上場会社の財務諸表適正性の担保として機能することを願っています。皆様のご支援をお願い申し上げる次第です。

細野祐二

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新着情報

日付 新着情報
2018/10/20 第8回財務諸表危険度分析「第8回鉄鋼B・非鉄金属・金属製品・機械A100社」(2018年10月20日報告書配信開始)を配信しました。
2018/10/18 第4回複式簿記研究報告会「LIXILの企業買収に隠された闇」を銀座紙パルプ会館で開催しました。
2018/10/15 10月15日配信のCFO Forumに「ライザップの弁明」と題する論稿を寄稿しました。
2018/09/27 日本CFO協会主催の「細野祐二会計アカデミー」第2回が開催されます。
2018/09/20 第3回複式簿記研究報告会「森精機のDMG社買収」を銀座紙パルプ会館で開催しました。
2018/09/20 9月20日発売のFACTA10月号に、「RIZAP損失先送り経営」と題する論稿を寄稿しました。
2018/09/20 第7回財務諸表危険度分析「東証1部化学業Bグループ及び鉄鋼業Aグループ100社」を配信しました。
2018/09/15 9月15日配信のCFO Forumに「日本企業の海外M&A」について寄稿しました。
2018/09/11 週刊エコノミスト9月11日号に「ライザップの負ののれん」について寄稿しました。