UMCエレクトロニクス虚偽公募増資責任賠償事件

UMCエレクトロニクス虚偽公募増資損害賠償事件の審理が進行し、年明け早々には証人尋問が大阪地方裁判所堺支部で行われることになりました。この裁判は、大阪在住の原告が2018年5月のUMCエレクトロニクスの公募増資に応じて約9千万円の株式実現損を蒙ったことを原因としてUMCエレクトロニクス、UMCエレクトロニクスの会計監査人であったEY新日本監査法人、並びに、公募増資の引受審査を行ったみずほ証券を訴えているものです。当研究会は、2020年11月10日に開催された第29回複式簿記研究会「UMCエレクトロニクスの虚偽公募増資」で採り上げて以来、一貫して原告の主張を支援しています。

2020年12月の提訴以来、審理は非公開のネット公判で2年間にわたり行われてきましたが、今回原告が裁判所の和解勧告を一蹴し、公開の法廷での証人尋問が実現することになりました。証人尋問では私が原告側証人として出廷し、会計専門家の立場から、主としてEY新日本監査法人の監査の不当性について証言する予定です。大阪在住の会員の方、及び、マスコミ各社は傍聴においでください。

この裁判では原告の勝訴判決が出るはずですが、現在の裁判上の争点は賠償額とEY新日本監査法人の責任にあります。原告有利の展開となっていますので、おそらく原告の公募増資による損害額は満額認められる可能性が高いものと思われます。

2018年5月のUMCエレクトロニクスの公募売り出しは102億円の規模でおこなわれ、公募株式数3,554,400株、発行価格は1株2,878円でした。全国にUMCエレクトロニクスの公募増資株で損失を蒙っている方が数万人規模でいるはずですが、本件で勝訴判決が出れば、これらすべての一般投資家の方は勝訴判決により救済されることになります。複式簿記研究会ではこれら被害にあわれた一般投資家の方たちのために、受け皿弁護士を用意してクラスアクション型集団訴訟を準備したいと思いますので、該当のある方は、複式簿記研究会宛ご相談ください。

また、本件ではEY新日本監査法人の損害賠償責任が認められる可能性があり、仮にそのような判決が出れば、我が国の歴史上はじめて監査法人に不法責任賠償が認定されることになります。来年春には判決が出るものと想定されますのでマスコミ各社は取材をしていただきますようお願いします。

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2020/11/10 第29回 UMCエレクトロニクスの虚偽公募増資